鼻アレルギー症の研究 : 第1報 Allergy Centre 6カ年における鼻アレルギー症の臨床集計成績
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Allergy centre開設以来6年間に来院し, 耳鼻咽喉科との協力の下に診療した鼻アレルギー症患者208例の臨床集計成績を報告し, 若干の検討を加えた.1)患者の住居別分布をみると52.9%が静岡市内から, 残りが静岡市周辺より来院した.2)年令別にみると30才代と20才代が多く, 性別では男女同数であつた.3)われわれは患者の病歴, 鼻腔内局所所見.末梢血並びに鼻汁の好酸球増加, 皮内反応および点鼻誘発試験をもとに5型に分類した.RaA群:誘発試験によりアレルギー性鼻炎と確定せるもの.RaB群:誘発試験を行なつていないがアレルギー性鼻炎が確実なもの.RaC群:アレルギー性鼻炎が推定されるもの.RV群:アレルギー性因子に乏しく血管運動性鼻炎と考えられるもの.R群:むしろ鼻炎と考えるのが適当なもの.4)病歴をみると32.7%に鼻アレルギー症および気管支喘息の遺伝素因が認められた.そして鼻症状は春(とくに3月, 4月)と秋(とくに9月, 10月):朝晩:雨の前, 寒冷とくに寒暖の差の著しい時に多い傾向がみられた.5)くしゃみ, 水様性鼻汁, 鼻閉のごとき鼻アレルギー症の主要症状のほかRaA, B, C群ではアレルギー性結膜炎というべき症状や気管支喘息, あるいはその前段階の症状を伴なう場合ないしはこれらとの移行型とみられる症例がしばしばあり, アレルギー性鼻炎の鑑別診断に際しては他のアレルギー症状が随伴するか否かに注意し, 全身症状との関連を考慮する必要があると考えられた.6)皮内反応陽性率の高い吸入性抗原は家塵, ブタクサ花粉, ヒメガマ花粉, マユ, スギ花粉, 絹等であるが, とくに春来院するものの中にアレルギー学的検索によりスギ花粉症と考えられるものが13例見出された.7)減感作療法を施行した20例(RaAおよびB群)についてその治療成績にも論及した.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1971-06-30
著者
関連論文
- 80. 気管支喘息の研究(第5報)そばアレルギーについて(喘息(I))
- 109. 静岡県富士市小学校児童の気管支喘息に関する研究(1) : 頻度調査について(喘息(VII))
- B[II]における質疑応答(B〔II〕: 減感作の基礎と臨床)
- 36.薬局勤務者における薬塵アレルギーに関する研究(薬剤アレルギー)
- 75.小児気管支喘息に関する研究 : 一地区における喘息学童の皮膚試験成績および2, 3の検討(喘息)
- (85) いわゆる米杉喘息に関する研究(第1報)(喘息〔III〕)
- (84) 気管支喘息の研究(第4報) : ひかげのかずら胞子によると考えられる職業性息喘の症例について(喘息〔III〕)
- 気管支喘息の研究 : 第4報.ひかげのかずら胞子によると考えられる職業性喘息の症例について
- 84.気管支喘息の研究(第4報)「ひかげのかづら」胞子によると考えられる職業性喘息の症例について(喘息III)
- (184) 蕁麻疹の研究(第2報) : 蕁麻疹と消化器症状との関連について(皮膚疾患とアレルギー)
- 30. 気管支喘息の研究 (第1報) : Allergy Centre 2ヵ年における気管支喘息の臨床統計(II喘息)(第16回日本アレルギー学会総会)
- 86.気管支喘息の研究 (第1報) : 家塵エキスの特異性について(VIII-2 皮膚反応)
- 6)蕁麻疹の研究 (第1報) : Allergy Centre 1ヵ年における蕁麻疹の臨床集計成績(V-2 治療面)
- 3. アレルギークリニックの将来像 b)臨床側より 1)内科より(I アレルギークリニックのあり方)
- 84.鼻アレルギー症の研究(第1報) : Allergy Centre 6カ月における鼻アレルギー症の臨床集計成績(花粉症)
- 69.ソバアレルギーの1例(喘息)
- 気管支喘息の研究 : 第5報.そばアレルギーについて
- 追加発言 くわ喘息の1例(III 職業性喘息)
- 83)気管支喘息に対する抗体産生抑制剤の影響について 第1報.
- 鼻アレルギー症の研究 : 第1報 Allergy Centre 6カ年における鼻アレルギー症の臨床集計成績
- 気管支喘息の研究 : 第1報. Allergy Centre 2年半における気管支喘息の臨床集計成績