ラットAdjuvant病の免疫病理学的研究 : I.とくにその発症病理の免疫生物学的検討
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概要
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北海道大学医学部第1病理学講座 数系統の近交系ラットを用いadjuvant病の基本的病態像を追求すると共に, その発症病理解析を目的として種々の検索, とくに免疫生物学的研究を行ない2, 3の知見を得たので報告した.1)ラット系統差によって発症率に差はなく平均70%のラットに発症した.2)皮内接種に特異的に高率に発症した.3)結核症の血清反応は3反応とも陰性.RA反応陰性.4)病理組織学的には特異肉芽腫性増殖炎が主体であり, 関節には骨芽細胞の新生がみられた.5)Thymectomyした動物は1ヵ月, 3ヶ月後adjuvant接種したもので発症抑制効果があった.ALS1回腹腔内注射後2週間目までにadjuvant接種すると発症抑制効果が認められた.Thymectomyした動物にALS, 放射線照射を併用すると1日後のadjuvant接種でも発症抑制効果があった.以上の結果はこの疾患が遅延型過接敏症のプロセスで発症することを強く示唆するが, 著者はなお直線的なアレルギー論は早計と考え, 宿主反応の解析についての考察を加えた.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1971-01-30
著者
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