肝における抗原抗体反応に関する研究 : 第2報.自己フィブリンによる活動性免疫時の組織学的変化
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概要
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体重約2.5kgの雄性ウサギの耳動脈より20mlを採血し, 攪拌後, フイブリン塊を取り出し, 洗滌後, 脱水乾燥して約60mgのフイブリン塊を得る.これに生食水を加えて0.12%フイブリン乳剤とし, 自己の腹腔内に還元注射する操作を1週間々隔で計10回行ない, 最後免疫1週間後に倍検し, 肝を組織学的に検索した.肝の肉眼的変化は著変なく, 組織学的には肝小葉構造はよく保たれ, 中心静脈は拡張したものが多く, 肝細胞は正常なものが大部分であるが壊死に陥つたものもあり, 核の大小不同および核濃縮をきたしたものからケルンワンドヒーペルクロマトーゼをきたしたもの, 2核ないし非常に多核の肝細胞, 胞体がエオジンに濃染したもの等を認め, 散在性に単細胞壊死ならびに小壊死巣がみられ, 類洞内には偽酸球の浸潤があり一部では間質性肝炎様変化を示すところも認め, グリソン氏鞘においては軽度の細胞浸潤をみる以外はとくに著変はなかつた.検査成績では赤血球の軽度の増加, 血液凝固時間の軽度延長を認めた.
- 1970-12-30
著者
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