溶連菌アレルギーに関する実験的研究
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概要
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アレルギー反応の局在機構を追求するため, 溶連菌感作に抗組織血清を加味せる実験を行なうとともに, 一方, 溶連菌菌体外毒素による遷延感作の実験を行ない次の結果を得た.1)あらかじめ溶連菌で感作せる動物を3群に分ち, 第1群では比較的少量の抗腎血清, 抗皮膚血清あるいは抗尾腱血清で, 第2群では溶連菌のみで, また第3群ではこれら抗組織血清に溶連菌を加えたものでそれぞれ惹起し, 腎, 心, 関節嚢等の変化を比較検討した.これらいずれの場合にも軽度の腎病変が認められた.各抗体組織血清に溶連菌を加えて惹起したものでは, いずれにおいてもやゝ変化の増強された腎病変がみられたが, 抗皮膚血清, 抗尾腱血清を使用しても, 心, 関節嚢等にリウマチ性病変などの特筆すべき変化を出現せしめることはできなかつた.2)溶連菌菌体外毒素によりイヌを用いて約900日におよぶ遷延感作を試み, 臨床的ならびに病理組織学的にヒトの亜急性あるいは慢性腎炎に比較的よく類似した変化を出現せしめ得た.
- 一般社団法人日本アレルギー学会の論文
- 1970-12-30