Interleukin-17による培養気道上皮細胞(NCI-H292細胞)のIntercellular Adhesion Molecule-1の発現に対する影響

概要

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気管支喘息は好酸球,リンパ球,好中球などの細胞浸潤による慢性気道炎症として特徴づけられる.気道上皮のICAM-1の発現はこれらの炎症性細胞と気道上皮細胞の接着を促進し,炎症細胞の活性化を誘導する.ICAM-1の発現は様々なサイトカイン刺激の影響を受ける.その1つにIL-17があり,IL-17は活性化CD4^+T細胞より産生される新しいサイトカインである.そこで我々は,IL-17のICAM-1の発現に及ぼす影響についてRT-PCR法およびflow cytometryを用いて検討した.ヒト気道上皮細胞株NCI-H292をIL-17(100ng/ml),IFN-γ(100U/ml)で刺激した.その結果,ICAM-1は無刺激(コントロール)でもわずかに発現していた.IL-17単独刺激ではコントロールの変化はなかった.しかし,IL-17は,IFN-γに誘導されたICAM-1の発現に対して相乗効果を認めた.このことから,IL-17は気道炎症における気道上皮のICAM-1発現に関与していることが示唆された.
日本アレルギー学会の論文
1999-10-30