通年性鼻アレルギー治療における薬剤減量の検討
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概要
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我々は通年性鼻アレルギー患者において症状抑制後の薬剤の減量が可能かを検討した.非特異的過敏性も抑制するトロンボキサンA_2受容体拮抗薬(ラマトロバン)を4週間投与後,半量に減量し2週ごと4週間減量後の鼻症状経過を見た(n=14).ラマトロバン投与4週後は投与前と比較して全般重症度および各鼻症状(くしゃみ,鼻汁,鼻閉)ともに治療前より症状が有意(p<0.05)に抑制された状態をラマトロバン減量後も維持していた.さらにラマトロバンを減量しないで薬剤量を維持した群(n=15)とも全般重症度,各鼻症状で減量群は差を認めなかった.また,鼻汁中好酸球も検討したが(n=14),治療前と比較して治療開始後は有意(p<0.01)に鼻汁中好酸球は減少していた.これらから,局所の好酸球浸潤の低下が非特異的過敏性を低下させ,ラマトロバンの減量を可能にさせたことが推察された.結論として,通年性鼻アレルギー患者において症状抑制後はラマトロバンの減量が可能であることが示唆された.
- 日本アレルギー学会の論文
- 2004-06-30
著者
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白崎 英明
札幌医科大学耳鼻咽喉科学教室
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氷見 徹夫
札幌医科大学耳鼻咽喉科学教室
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成田 慎一郎
市立函館病院耳鼻咽喉科
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白崎 英明
札幌医科大学 医学部小児科
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伊藤 順一
市立函館病院耳鼻咽喉科
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小林 一豊
市立函館病院耳鼻咽喉科
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成田 慎一郎
札幌医科大学医学部耳鼻咽喉科学教室
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白崎 英明
札幌医科大学耳鼻咽喉科
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氷見 徹夫
札幌医科大学
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