板幅の広い薄鋼板中央き裂材によるクリープき裂伝ぱ支配力学量の検討

概要

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相似形および初期切欠き長さの異なる中央切欠き試験片を用いて, 薄板低炭素鋼のクリープき裂伝ぱ試験を 400℃ にて行った. 応力レベル, 試験片寸法および初期切欠き長さの異なるき裂伝ぱ速度データを弾性応力拡大係数 K あるいは正味断面公称応力σ_<net> で整理するとそれぞれ一致しないが, クリープ J 積分 J^^・とはよい対応関係があり, き裂伝ぱ速度 dl/dt mm/h とクリープ J 積分 J^^・kg/mm・h との間には dl/dt=0. 1 J^^・で表される関係が認められた. 本結果はほかの研究者によって得られている実験結果と矛盾するところはない. 試験片が有限変形する場合の J^^・値は, リガメント面積の収縮によって増加するσ_<net> の値を用いることにより, 近似的に求めることができた. J の簡便式 J^^・=[(α-1)/(α+1)]σ_<net> V^^・ (V^^・はき裂中央開口変位速度) は, クリープ試験中に直接 V を測定すれば, 有限変形の場合も適切な J^^・値を与える. それは形状非線形性が V の値に反映されているためであろう.
一般社団法人日本機械学会の論文
1980-05-25