新しき金属匍匐理論
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概要
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金属匍匐に就ては、A.Nadai及びW.Baileyがそれぞれ独特の理論を発表してゐるが、何れも多少の欠点が見出される。而もBaileyの理論はその公式が余り複雑なために、應用範囲が非常に狭い。そこで筆者は大きな欠点もなく、実験の結果に対照して正確さを有し、而も應用範囲の相當に廣い理論を新しく発表したい。一定應力による金属の匍匐は始めは時間の経過と共に、その歪速度が減少するが、ある時間後にはそれが一定速度に達するのであつて、筆者はこの論文に於てはその一定の終速度の状態に就てのみ論ずる。そして温度が低くて金属の硬さが大きく中間應力が小さくて歪速度が小さいときと、温度が高くて軟く3主應力が大きくて歪速度が大いときとは、変形の状態が違ふ。即ち前者は金属の塑性を多分に有する匍匐を示して、辷りは主として内部摩擦説による一定方向に起り、後者は粘性を多分に有する匍匐を示して、半流動体の如くあらゆる方向に辷りが起る。そこで筆者は仮にこの二者を一定方向匍匐及び多方向匍匐と称することにし、従て筆者は2種の理論を発表する(但し〓に中間應力といふのは3主應力σ_1,σ_2,σ_3の関係がσ_1>σ_2>σ_3なるとき中間のσ_2を指す)。
- 一般社団法人日本機械学会の論文
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