ガラス表面処理における最近の進歩 : 機械的及び光学的性質の改良
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概要
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主として強度と光学的透過性能の改良の見地から, 過去15年以上にわたるガラス表面処理技術と研究の進展を概観した. ガラスの強度増大は実際に物理強化あるいは化学強化 (イオン交換強化) により実現をみている. フッ酸処理は表面にあらかじめ存在する微小クラックを除去してガラスをそれらによる以上に高強度化するが, 環境変化に対する耐久性を低める. 最近はr.f. スパッターエッチングあるいは反応性のガスプラズマエッチングが注目されている. 高強度ガラスへの保護膜コーティングはガラスの強度を低下させるが, 加傷による一層の強度低下を防ぐ意味では有効である. 表面処理ガラスの強度及び疲労特性を評価するためには, 現在もなお有効である破壊力学による解析の一層の適用が望まれる.光学的透過及び反射性能はガラスへの金属膜, 誘電体膜のコーティング, 誘電体膜あるいはガラス表面への金属コロイドの分散により容易に改変することができる. これらの膜のコート方法としてはPVD, CVD, CLD, スプレー法, ある場合には無電解めっき法が適用できる. 今後については膜材料設計及び特にコロイド分散系に適用できる光学設計理論の一層の進展が期待される.
- 1978-12-01