亜鉛鉱床に生成するセリサイトの精製 : 粘土原鉱中の微細硫化鉱物粒子の油相分離, 第1報
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概要
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亜鉛鉱床に生成するセリサイトの精製法として, 混在する微細粒な硫化鉱物を灯油で抽出するフラッシング法を採用した. この方法は数μm以下に分級したセリサイト懸濁液から直接硫化鉱物を油相へ移行させるものであり, 従来の泡沫浮選と比べて微細粒な鉱物粒子の分離に適していることを確認した. 硫化鉱物の分離効率は懸濁粒子の解こう度合によって左右され, pH制御とともに, 硫化鉱物の酸化による影響を除去することが重要である. 酸化生成物のうち鉄化合物の影響が特に大きく, これに対して還元剤とキレート剤を使用し, 懸濁液の解こう状態と硫化鉱物の分離効率を大幅に改善した. 主な不純物であるセン亜鉛鉱はpH8で, 硫ヒ鉄鉱はpH3でそれぞれ最大除去率を示した. このほかに分離助剤として***フロート208, 脂肪酸セッケン及びMIBKを使用した. MIBKは過剰な捕集剤による乳濁化を抑制し, 粘土懸濁液からの硫化鉱物と油滴の分離を促進した. 精製処理によってセリサイト中の亜鉛とヒ素が90%以上除去され, それぞれ100ppm以下と5ppm以下に低下した.
- 社団法人日本セラミックス協会の論文
- 1979-06-01
著者
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