カルシウム燐酸塩とアルミノ珪酸塩との固体反応
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概要
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ボーンチャイナの焼成過程を究明するための基礎資料を得ることを目的に, カルシウム燐酸塩とアルミノ珪酸塩との固体反応において, 主として拡散成分と拡散方向を白金マーカー法とEPMAで決定し, また反応による各種結晶相生成過程を粉末X線回折法で調べた.CaHPO4・2H2Oから生成したCa2P2O7はその燐酸成分の一部が, また水酸アパタイトはその石灰成分の一部がそれぞれアルミノ珪酸塩中に拡散してCa3(PO4)2に変化した. 生成したCa3(PO4)2は固相反応ではアルミノ珪酸塩と反応せず構造変化は認められなかった. 固相反応において拡散成分のうち燐酸成分は粘土鉱物中に拡散してその融解を促進し, また石灰成分は同様に粘土鉱物中に拡散してアノーサイトを生成した. 拡散は被拡散物質の結晶構造の影響を受け, カオリナイトが最も拡散を受け易かった. 石灰成分と粘土鉱物の反応によるアノーサイトの生成における初期生成反応性はパイロフィライト, セリサイトがカオリナイトより優れていた.
- 社団法人日本セラミックス協会の論文
- 1977-08-01
著者
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