CdO-SiO_2系ガラスのフォトクロミズム
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
CdOが45-55mol%占めるCdO-SiO2系ガラスでフォトクロミズムを見い出した. この系に数mol%のアルカリ, アルカリ土類あるいはAl2O3を添加すると, その特性を大幅に変化させることなくガラスを安定に作成し得る.このフォトクロミズムの特徴は, 吸収端付近の暗化光で誘起された吸収帯が可視全域にわたる広いもので, 退色速度は遅く, 半退色時間は2時間に及ぶことである. 熱退色時に熱発光が観察された. 光学的に暗化, 退色を1000回繰り返したが疲労は観察されなかった.SiO2をB2O3, P2O5, GeO2などの他のNWFで置換した場合, 暗化度は大幅に減少した. これはCdOとSiO2の組合せが, この種のガラスのフォトクロミズムに対する重要な要因であることを示している. また, Cu, Mn, Fe, Ceなどの0.1mol%添加は暗化を著しく妨げる.暗化および退色過程で暗化度と対応して光伝導が観察されることから, この種のフォトクロミズムには内部光電効果により発生した光電子の拡散過程が関与していると思われる.
- 社団法人日本セラミックス協会の論文
- 1977-07-01
著者
関連論文
- 硼珪酸ガラスの直流伝導および低周波誘電吸収における硼酸異常現象の欠如
- CdO・SiO_2・Na_2O フォトクロミックガラスの光伝導
- CdO・SiO_2・Na_2O フォトクロミックガラスの退色状態における暗電流と誘電緩和
- CdO-SiO_2系ガラスのフォトクロミズム
- Bi_2O_3-B_2O_3ガラスの電気伝導と誘電的性質
- 電子伝導性酸化物ガラスの直流分極と誘電緩和
- WO_3-BaO-P_2O_5 系ガラスの吸収電流
- 電気的性質から見た石英ガラスの不可逆変化と可逆変化(第2報) : 水晶火炎溶融ガラス
- 電気的性質から見た石英ガラスの不可逆変化と可逆変化(第1報) : 火炎溶融合成石英ガラス
- バイコール型ホウケイ酸ガラスの誘電緩和
- 多孔質ガラスの誘電緩和