アルミニウム合金7075および7076の疲労強度に及ぼすショット・ピーニング加工の影響について
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概要
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本資料は高力アルミニウム合金7075および7076各T6材についてショット・ピーニング加工における諸因子,すなわち,ショット粒度,アークハイト,カバレージ,ショット・ピーニング前の表面仕上げなどを変えて疲労強度に及ぼす影響を検討し,あわせて3%食塩水中における腐食疲労強度についても実験を行った.疲労試験は小野式回転曲げ疲労試験機を用いて行い,得られた結果を要約すると次のようである.ショット・ピーニング加工条件は#170ショット,カバレージ100%,アークハイトは7075が0.015",7076では0.010"とするのが疲労強度(10^7回)の点から好ましい.加工前の表面仕上げは加工後の疲労強度に影響を及ぼすが,ペーパ仕上げと2〜4s程度の旋削仕上げでは疲労強度に差がほとんど見られない.疲労強度の向上率はペーパ仕上げが4〜15%,旋削仕上げが6〜22%である.なお,加工後表面層をペーパなどによって軽く除去すると,疲労強度は加工のままと比べ8%ほど向上する.腐食疲労強度はショット・ピーニング加工によってかなり改善される.7076-T6の場合,ペーパ仕上げのままの疲労強度は大気中より61.9%ほど低いが,加工したものの減少率は30%程度であった.
- 社団法人日本材料学会の論文
- 1966-07-15
著者
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竹内 洋一郎
Department Of Mechanical Engineering Shizuoka University
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竹内 洋一郎
住友軽金属工業(株)研究部
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佐々木 光三
三菱重工業(株)名古屋航空機製作所
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山盛 浩
住友精密工業(株)