衝撃波負荷によるガラス板の爆風強度試験 : 衝撃波特性と応力測定方法の検討

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近年の安全意識の高揚に伴い,種々のセキュリティ分野での関心が高まり,ガラス分野でも例外ではなく,防犯性や防弾性の高いガラスなどのセキュリティ商品が開発されている.日本国内ではこれまであまり着目されていなかった防爆性への認識も高まりつつある.ガラスの防爆性は,テロなど耐爆発特性として取り上げられるばかりでなく,爆発的火山噴火,石油備蓄設備,化学工場,都市ガスの爆発,あるいはロケット射場でロケット打ち上げでの指命破壊などで発生する爆風の防爆性を無視できない.ガラスの防爆性は,従来概念からみて非常に高速の気流負荷,例えば衝撃波や爆風に代表される現象に対するガラス強度として評価される.一方,ガラスの破壊強度は,ガラス自体がもつ強さ,表面や内部の欠陥,寸法や板厚などの因子の他,応力負荷の状態や負荷速度によっても変化する.この観点から,ガラスの爆風強度を求めるためには,爆風伝ぱに近い速度での負荷実験が必要となる.しかし,音速を超える高速気流や波動負荷を与える装置やこれを解析できる計測技術の開発も必要で,その対応は容易ではない.高速負荷源についても,衝撃波負荷と爆風負荷では特性は異なる.著者らは一連の衝撃波伝ぱとガラスの防爆強度の研究に有効な衝撃波管特性に関する研究を行ってきた.まず,衝撃波管を試作し,衝撃波負荷時のガラス変形観察及び衝撃波負荷でのフロートガラス内応力発生について述べた.また,この装置でマッハ数1.0〜1.3の衝撃波を再現できることを報告した.しかし,この結果は衝撃波負荷に関する基礎データとしてはまだ不十分で,例えば,衝撃波負荷ではガラス試片に作用した圧力を直接測定できないので,ガラスに作用する圧力負荷の計測手法又は推定する手法を確立しなければならない.更には,高速負荷時における応力発生データの測定方法,特に発生した応力への応答性の検討もほとんどなされていない.以上の目的により,ここでは試作した衝撃波管の衝撃波特性と,この測定のために検討した従来の1/10の測定時間間隔(100kHz測定)での発生応力応答の妥当性について述べる.
社団法人日本セラミックス協会の論文
2003-09-01

衝撃波負荷によるガラス板の爆風強度試験 : 衝撃波特性と応力測定方法の検討

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