ネット上討論から見た脳死・臓器移植の価値構造 : 近代化・グローバル化の視点から
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
医療化の進行した先進国としては特異な経過を辿った、我が国の脳死・臓器移植の価値構造を明らかにするために、脳死・臓器移植の是非をめぐるインターネット上討論の内容について、KJ法による質的分析を行った。推進派の中心的な価値は、自律と自己決定に至上価値を置くパーソン論的人間観を基盤として、客観的な観察者の視点で展開されるものであった。対する懐疑派は、二元論的な身体観・人間観をはじめとする科学万能主義を戒め、ドナーや家族などの当事者の視点での論議を展開すると共に、非専門家によるコントロールシステムの必要を主張した。脳死・臓器移植の価値構造は、グローバルな近代化の流れが内包する価値を基軸として、「近代」を精緻化し、深化させる方向で対処しようとするものであった。したがって、我々の葛藤は、「近代」を共有する他の多くの社会に対して、先駆的なメッセージと成り得る。
- 2001-09-17
著者
関連論文
- ネット上討論から見た脳死・臓器移植の価値構造 : 近代化・グローバル化の視点から
- ヘルスアセスメント実践能力を培う「看護学ゼミナール」 : 学生の授業評価からみた3年間の方法構築とその成果
- 石鹸清拭の効果的な方法に関する検討 : 石鹸の泡立てによる石鹸成分の除去効果について
- 石鹸清拭の効果的な方法に関する検討 : 石鹸の泡立てと皮膚表面pHとの関連について
- 基礎看護技術の教育方法の検討 : 学生主体の授業を目指して
- 看護関連事故情報分析の院内リスクマネージメント・システム構築への貢献
- 看護者の責任 : 医療リスクマネジメントにおいて看護職に期待される役割と課題(第16回日本生命倫理学会年次大会報告)