卵巣腫瘍における腫瘍マーカーの組織内局在について
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概要
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卵巣腫瘍150例について,酵素抗体法(間接法)を用いて,CEA,AFP,HCGおよびImmunoglobulin G,Mの組織内局在を検索し,さらに臨床進行期,悪性度,組織型および予後との関連性についても検討し,以下の結果を得た. 1)抗原別にみると,CEAとIg-Gの組織内局在が全腫瘍を通じて最も高頻度にみられ,CEAは,全卵巣腫瘍中24.7%,悪性群では33.7%の陽性率であつた.Ig-Gは全卵巣腫瘍で27.3%,悪性群では33.7%に組織内局在が認められた. 2)CEAとIg-Gについて悪性群,中間群,良性群での陽性率を比較検討すると,両者とも悪性群における陽性率が有意に高かつた. 3)組織型との関連では,CEAはムチン性嚢胞腺癌(低悪性度腺腫を含む)および転移性卵巣癌で高率に認められた.一方,AFP,HCGは胚細胞性腫瘍における陽性率が高く,それぞれ25.9%,14.8%であつた. 4)血清CEA値と組織内局在との間には,有意の相関が認められた(P<0.05). 5)同一進行期においては,Ig-Gの陽性群に予後の良い傾向がうかがわれたが,CEAの組織内局在の有無と予後との間には,関連性が認められなかつた.
- 1985-11-01
著者
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