羊水の抗菌作用に関する研究 : とくに羊水中Transferrinの意義について
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概要
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羊水の抗菌作用について検討するために、Escherichiacoli、Staphyloco?usaureus、Pseudomonasaeruginosa、Streptoco?usfaecalisの羊水中発育状態を観察すると共に、羊水中抗菌物質の一つと考えられているTransferrinの羊水中濃度と抗菌作用との関連について上記の細菌を用いた実験を行ない、次の結果を得た。1.羊水はEscherichiacoliとStaphylococcusaureusに対しては抗菌作用(主に静菌的作用)を有したが、羊水による個体差が存在した。またPseudomonasaeruginosaとStreptoco?usfaecalisに対しては抗菌作用を有しなかった。2.羊水を熱処理(100℃5分間)するとEscherichiacoliとStaphylococcusaureusに対する抗菌作用も消失した。3.正期産90例の羊水中Transferrin濃度は29.1±17.6mg/dlであったが、膀帯血あるいは母体血中Transferrin濃度との相関はなかった。4.熱処理して抗菌作用の消失した羊水にTransferrinを添加していくと、その濃度が250mg/dlでEscherichiacoliに対する羊水の抗菌作用は回復した。しかしTransferrinと同時にTransferrinを飽和させるのに充分な鉄を添加すると、羊水の抗菌作用は再び減弱した。
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1986-04-01
著者
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