子宮頚部におけるHuman Papillomavirus感染の実態と頚部病態との関連について : Vira Pap^<TM> (Dot blot)法を中心として
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概要
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女性***におけるHuman Papillomavirus (HPV)感染は, 性行為感染症(STD)として, また発癌機序との関連において注目されている. しかし, HPVの検出は研究室レベルではSouthern blot法により検討されているが, 臨床応用が困難なため広く感染の実態を把握しにくいのが現状である. 今回, 簡易HPV検出キットVira Pap^<TM> (Dot blot)法を臨床に応用する機会をえたので, 従未からHPV感染を疑いうるとされてきた検索法, すなわち, 細胞診, コルポ診, 組織診および酵素抗体法による成績と対比し, Vira Pap^<TM>法の臨床応用価値を検討した. さらに本法によりHPV感染が証明された子宮頚部病変についてHPV typeとの関連を追及した. 1. Vira Pap^<TM>法は, 従未の方法に比べて検出率が優れ, またSouthern blot法と同程度の検出率が容易かつ正確にえられ, 女性***におけるHPV感染の疫学を大きく展開させうることが明らかにされた. 2. HPV感染がVira Pap^<TM>法により証明された症例をSouthern blot法でタイプ別に解析し, タイプ6, 11, 16, 18, 31, 33, 35, さらに分類不能型を認めえた. 3. 各タイプと細胞診, コルポ診, 組織診との間にはとくに関連性を認めなかつた. 4. 癌との関連が深いとされているHPV16, 18, 33が慢性頚管炎からも検出されたことはこのような症例を今後, 発癌機構との関連においてVira Pap^<TM>法によるスクリーニングを広く施行して, 多数例集積し, 追跡検索する必要性を示していると考える.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1989-06-01
著者
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