雌ラット骨盤神経節の形態学的観察
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概要
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雌ラット骨盤神経節は膣円蓋部よりやや尾側で、直腸側壁と一部膣壁にかけ有対性に存し、形は帯状、梶棒状、S字状などを呈する(長径4-7?×短径2-4?×厚さ1-2?)。神経細胞は多極性で、まれに双極性や単極性のものもみられ、直径20〜50μ程度の大きさを示す。また、これら神経細胞の50〜70個に1個の割合で、クローム親和細胞と考えられる小型細胞(群)を認めた。組織化学的に神経細胞の大部分(90%以上)はアセチルコリンエステラーゼ(AChE)酵素活性陽性で、これら神経細胞の細胞体や突起の表面にはcholinergicな神経終末が終つている。またカテコールアミン(CA)螢光検出法で強い螢光を発する、いわゆるsmall、intenselyHuorescentcells(SIF細胞)を認めた。ときに骨盤神経節内に、細胞質内に径約20μまでの1〜10数個の空胞を有する、いわゆる空胞化神経細胞(vacuolated nerve cells)が観察された。微細構造上、空胞は種々の大きさと形と構造を有する封入小体を含んでおり、この種の神経細胞の表面にも細胞膜の特殊分化を示すシナプス形成を認めた。
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1986-05-01
著者
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