羊水の抗菌作用とLysozyme
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概要
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羊水の抗菌作用について検討するために羊水中細菌の発育状態をplate count法を用いて観察した.また羊水中抗菌物質の一つと考えられている溶菌酵素Lysozyme(以下LZMと略す)の羊水中濃度を測定し,LZMの抗菌作用を検討し,つぎの結果を得た. 1.羊水はB.subtilisに対して殺菌的抗菌作用を示した.またStaph.aureusに対しては90%の羊水が,E.coliに対しては82%の羊水が静菌的抗菌作用を示した.しかしGBS,Str.faecalisおよびPs.aeruginosaに対しては抗菌作用を示さなかつた. 2.羊水を100℃5分間熱処理するとB.subtilis,Staph.aureusおよびE.coliに対する抗菌作用も消失または減弱した. 3.羊水中LZM濃度は妊娠週数とともに漸増して正期産例では19.1±8.3μg/mlであつた. 4.熱処理して抗菌作用の消失した羊水に正期産例羊水中LZM濃度の約1/4量,51μg/mlのLZMを添加するとB.subtilisに対する抗菌作用は回復した.しかし,Staph.aureus,E.coliに対しては添加LZM量を増加しても抗菌作用の回復はみられなかつた. 5.熱処理羊水中Staph.aureusの発育はLZMとAB-PCの併用で抑制され両者の協力効果がみられた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1985-11-01
著者
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