正常男女の加齢、女性の去勢・更年期障害,妊娠・分娩・産褥時の血中LH-RHについて
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概要
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健常男・女性の加齢,婦人の去勢,更年期障害,妊娠中並びに分娩後について,血中LH-RH値を高感度RIAにより測定し,以下の成績をえた.1)本法の測定感度は0.6pg/tube,recovery rateは88.8%と良好であった.2)健常女性の血中LH-RH値は,卵胞・黄体期間では差はなく,閉経前から上昇し,閉経後1年以内で最高値となった.その後加齢につれ,徐々に低下し,閉経後10年以後は成熟期と比べなお高値であった。3)男性の血中LH-RH値は,26-55歳までははとんど変化なく,56歳以上ではやや上昇の傾向を示したが,同年齢の女性よりは明らかに低かった.4)閉経前の去勢手術例において,血中LH-RH値は,術後では術前に比べ,上昇の傾向がみられたが、閉経後の卵巣摘出例では,術前と比べ特別なことはなかった.また閉経前・後の両側卵巣摘出例のみならず,単純子宮摘出例でも,術後6時間から1日目頃で,血中LH-RH値のpeakがみられた.5)閉経前・後の更年期障害婦人の血中LH-RH値は,正常更年期婦人と比べ明らかに低値を示したが,血中FSH,LH値は差はなかった.6)妊娠時の血中LH-RH値は,妊娠8週までは非妊時よりやや高値であったが、9-10週頃より明らかに低下し始め,11-39週まではきわめて低値で,分娩時はさらに低値を示した.しかし,分娩後1カ月には非妊時値よりも若干高値の傾向を示した.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1982-12-01
著者
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