妊娠,分娩時の testosterone-estradiol binding globulin と sex.steroid について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Testosterone-estradiol binding gloublin (TeBG),testosterone,estradiol-17β,index-T(TeBGに結合していない testosterone)及びindex-E_2(TeBGに結合していない estradiol-17β)を,妊娠中,分娩時母体,分娩時〓帯動静脈,そして産褥について測定し,以下の結果を得た.1)TeBG:TeBGは,妊娠初期より中期に急増し,以後一定となった.分娩時には妊娠末期の約1/2に低下,産褥6日で,分娩時の約3/5となり,産褥30日には,非妊時の値に復していた.〓帯血中濃度は,動静脈共分娩時母体血の1/10と非常に低値を示した.2)Testosterone及びindex-T:testosteroneは妊娠初期より末期まで漸増した.しかしindex-Tは,妊娠第5ヵ月(16〜19週)に最低となり,しかも妊娠期間を通じて非妊時より高値を示すことはほとんど無かった.産褥期にはtestosteroneは漸減し,産褥30日で非妊時の値に復していたが,index-Tは,産褥1日より非妊時の値を推移した.〓帯動静脈血では,testosteroneは分娩時母体血よりやや低値を示したが,逆にindex-Tでは,〓帯動静脈血の方が分娩時母体血の約5倍と高値を示した.3)estradiol-17β及びindex-E_2:estradiol-17βは妊娠初期より末期まで直線的に増加したが,index-E_2は妊娠末期になり急増するパターンを示した.産褥期には,1日で,estradiol-17β,index-E_2共ほぼ検出不能となった.分娩時母体血と〓帯動静脈血を比較すると,estradiol-17βでは,母体>〓静脈>〓動脈であったが,index-E_2では,母体≒〓静脈>〓動脈となった.以上,index-Tやindex-E_2が妊娠、産褥あるいは〓帯動静脈血において,testosteroneやestradiol-17βとは異なった動きをすることを示し,TeBGが,陣痛発来や,母児相関に何らかの影響を与えている可能性を示した.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1982-11-01
著者
-
吉田 信隆
広島市立広島市民病院
-
秋本 晄久
岡山大産婦人科
-
吉田 信隆
岡山大学医学部産科婦人科学教室
-
清水 健治
岡山大学医学部産科婦人科学教室
-
関場 香
岡山大学医学部産科婦人科学教室
-
清水 健治
鳥取市立病院 産婦人科
-
吉田 信隆
社会保険広島市民病院
-
関場 香
岡山大学医学部産科婦人科
-
小林 俊三
岡山大
-
林 泰堂
岡山大
-
吉良 正道
岡山大学医学部産科婦人科学教室
-
秋本 晄久
岡山大学医学部産科婦人科学教室
-
鎌田 常子
岡山大学医学部産科婦人科学教室
-
小林 俊三
岡山大学医学部産科婦人科学教室
-
林 泰堂
岡山大学医学部産科婦人科学教室
-
鎌田 常子
岡山大学医学部産婦人科教室
-
吉良 正道
岡山大学医学部産婦人科教室
-
吉田 信隆
岡山大学医学部産婦人科学教室
-
清水 健治
岡山大学医学部産婦人科学教室
-
関場 香
岡山大学医学部産婦人科学教室
関連論文
- P1-99 当院で施行された産後出血に対するUAE症例12例と子宮全摘術症例6例の比較検討(Group13 妊娠分娩産褥3,一般演題,第62回日本産科婦人科学会学術講演会)
- K3-13 母体マグネシウム投与の新生児死亡,脳出血に及ぼす影響 : 多施設共同研究(高得点演題11 周産期,高得点演題プログラム,第61回日本産科婦人科学会学術講演会)
- P3-76 糖代謝異常合併妊娠におけるHbA_値の重要性について(Group107 妊娠分娩産褥12,一般演題,第62回日本産科婦人科学会学術講演会)
- P3-348 胎児期に腸管拡張を指摘され小腸閉鎖が疑われた5症例の検討(Group141 胎児・新生児9,一般演題,第62回日本産科婦人科学会学術講演会)
- P1-59 当院における緊急子宮頸管縫縮術の手術方法とその治療成績(Group8 早産1,一般演題,第62回日本産科婦人科学会学術講演会)
- K1-17 妊娠20週時の超音波胎盤計測にてFGRを抽出し,出生体重を推測する方法(高得点演題4 周産期,高得点演題プログラム,第62回日本産科婦人科学会学術講演会)
- 不妊・不育症例における抗核抗体スクリーニングの検討
- 上皮性卵巣癌165例に対するFirst-lineとしてのカルボプラチン腹腔内投与の治療成績(第108群 卵巣腫瘍16)
- P2-349 胎胞形成・胎胞脱出例に対する治療的頸管縫縮術の意義について(Group 160 早産I,一般演題,講演要旨,第58回日本産科婦人科学会学術講演会)
- P2-310 当院での妊娠12週より21週までの流産例について(奇形症例を中心に)(Group 154 妊娠・分娩・産褥V,一般演題,講演要旨,第58回日本産科婦人科学会学術講演会)
- P2-301 前置胎盤における癒着胎盤と子宮頸管長短縮例の管理(Group 153 妊娠・分娩・産褥IV,一般演題,講演要旨,第58回日本産科婦人科学会学術講演会)
- P2-22 広汎子宮全摘術におけるリンパ節郭清時の大腿上節温存と下肢リンパ浮腫予防(Group 115 子宮頸部腫瘍IX,一般演題,講演要旨,第58回日本産科婦人科学会学術講演会)
- P2-18 広汎子宮全摘術における神経温存法とその予後について(Group 115 子宮頸部腫瘍IX,一般演題,講演要旨,第58回日本産科婦人科学会学術講演会)
- P1-560 当院IUGR症例の予後とそれにもとづく管理指針(Group 74 胎児・新生児II,一般演題,講演要旨,第58回日本産科婦人科学会学術講演会)
- P1-108 子宮体部より発生したneuroendocrine carcinomaの1例及び文献的考察(Group 14 子宮体部腫瘍XIII,一般演題,講演要旨,第58回日本産科婦人科学会学術講演会)
- P1-42 診断的子宮頸部円錐切除術の有用性(Group 6 子宮頸部腫瘍VI,一般演題,講演要旨,第58回日本産科婦人科学会学術講演会)
- 当科におけるIUGR (子宮内胎児発育遅延) の臨床的検討(合併症妊娠II, 第57回日本産科婦人科学会学術講演会)
- 当院における過去4年間の先天奇形症例について(胎児・新生児XI, 第57回日本産科婦人科学会)
- Paclitaxel, Carboplatin 併用療法における末梢神経障害に対する Cyclooxygenase-2 (COX-2) inhibitor (Meloxicam) の効果についての検討(悪性腫瘍全般IV, 第57回日本産科婦人科学会学術講演会)
- 骨盤リンパ節郭清術後のリンパ嚢胞と下肢浮腫の予防法(子宮頸部悪性腫瘍XII, 第57回日本産科婦人科学会学術講演会)
- 早発TTTS発症例を除く一絨毛膜二羊膜性双胎の管理と予後(多胎II, 第57回日本産科婦人科学会学術講演会)
- 子宮内胎児発育遅延 (IUGR) とその分娩方法について(妊娠・分娩・産褥IV, 第57回日本産科婦人科学会学術講演会)
- 広汎子宮全摘術における膀胱尿管神経完全温存法の有用性について(子宮頸部悪性腫瘍III, 第57回日本産科婦人科学会学術講演会)
- 診断的子宮頸部円錐切除術と妊孕能温存(子宮頸部悪性腫瘍I, 第57回日本産科婦人科学会学術講演会)
- 32-21.一絨毛膜性双胎の予後からみた早期管理の重要性について(第159群 胎児・新生児11)(一般演題)
- 32-19.一絨毛膜性双胎における双胎間輸血症候群の発症予知について : 妊娠22週未満の臍帯動脈血流測定は有用か?(第159群 胎児・新生児11)(一般演題)
- 21-11.上皮性卵巣癌に対する初回化学療法としての,CBDCA腹腔内投与を用いたCJ法,TJ(Tの一括投与)法,TJ(Tの分割投与)法についての比較検討(第100群 卵巣腫瘍11)(一般演題)
- P-238 妊娠中に横紋節融解症をきたした1例
- 131 パルスドプラ法を中心とした一絨毛膜双胎の妊娠管理方法の検討
- 73 卵巣癌化学療法におけるCBDAの腹腔内投与法の至適AUC値について
- 39 放射線, CBDCA併用療法の試み : その適応, 副作用について
- 251 双胎間輸血症候群の分娩時期に関する検討
- 250 胎児交換輸血, 二重濾過血漿交換療法により生児を得た血液型不適合妊娠の1例
- 品胎妊娠における母体血清尿酸値の推移
- 品胎妊娠における血液凝固・線溶因子の変動
- P2-157 当科における1000g未満の子宮内胎児発育不全症例の検討(Group53 胎児新生児5,一般演題,第61回日本産科婦人科学会学術講演会)
- P3-195 32週未満のpretermPROMの管理とその予後について(Group99 早産3,一般演題,第61回日本産科婦人科学会学術講演会)
- P2-47 不正***出血を認める子宮体癌症例に対する子宮体部細胞診の有用性と限界(Group39 子宮体部悪性腫瘍7,一般演題,第61回日本産科婦人科学会学術講演会)
- P3-126 腹腔内出血を併発した臨床的羊水塞栓症の1例(Group92 妊娠分娩産褥8,一般演題,第61回日本産科婦人科学会学術講演会)
- P3-135 当科における分娩時体重3600g以上の児であった母体の検討(Group93 妊娠分娩産褥9,一般演題,第61回日本産科婦人科学会学術講演会)
- P2-15 進行子宮頸癌に対するpaclitaxel,carboplatinによる化学療法併用放射線療法(CCRT)(Group35 子宮頸部悪性腫瘍5,一般演題,第61回日本産科婦人科学会学術講演会)
- P2-243 胎盤低形成によるIUGRを超音波検査にて出生前診断する計測法についての検討(Group64 胎盤1,一般演題,第61回日本産科婦人科学会学術講演会)
- 診療 子宮内胎児発育遅延と妊娠高血圧症候群に関する検討
- 臨床経験 妊娠中に診断されたCarcinoma in situ(CIS)の管理について
- 痛みを訴えるがなかなか分娩が進行しない!--分娩遷延 (特集 ドクターコールのタイミングを見逃すな! 正常分娩急変時の症状・所見)
- P4-96 当科の子宮体癌に対する治療と予後についての検討(Group104 子宮体部悪性腫瘍6,一般演題,第60回日本産科婦人科学会学術講演会)
- P4-43 胎児エコーにて臍帯・胎盤因子によるIUGRと診断し,管理した症例について(Group98 胎児・新生児の生理5,一般演題,第60回日本産科婦人科学会学術講演会)
- P3-59 当科における羊水過多症例の検討(Group73 胎児・新生児の生理3,一般演題,第60回日本産科婦人科学会学術講演会)
- P2-43 子宮頸癌における術前検査としてのPET-CTの有用性についての検討(Group 39 子宮頸部悪性腫瘍9,一般講演,第60回産科婦人科学会学術講演会)
- 手術手技 広汎子宮全摘術において尿管および膀胱機能を支配する神経の温存法
- いわゆる子宮頸癌 Ibocc 症例における臨床病理学的検討 : 多施設共同研究
- P2-28 子宮頸部の腺扁平上皮癌についての臨床的検討(Group 116 子宮頸部腫瘍X,一般演題,講演要旨,第58回日本産科婦人科学会学術講演会)
- P1-599 地域における双胎管理の実態 : 双胎やMD双胎は集約化されているか(Group75 多胎妊娠2,一般演題,第59回日本産科婦人科学会学術講演会)
- P2-23 広汎子宮全摘術におけるリンパ節郭清時のリンパ嚢胞及び下肢浮腫予防(Group37 子宮頸部悪性腫瘍7,一般演題,第60回日本産科婦人科学会学術講演会)
- P1-82 広汎子宮全摘術におけるリンパ節郭清時の下肢浮腫予防(Group6 子宮頸部腫瘍6,一般演題,第59回日本産科婦人科学会学術講演会)
- P-539 羊膜穿破術が有効であったと思われる双胎間輸血症候群(TTTS)の3例
- 101. 胎児肝ステロイド代謝酵素系の調節因子に関する研究 : 16α-水酸化酵素活性のステロイドによる阻害について
- 98. 胎児副腎におけるステロイドホルモンの産生調節機構に関する研究
- P1-72 当院における過去4年間のdiscordant twinの検討(Group9 妊娠・分娩・産褥の生理2,一般演題,第60回日本産科婦人科学会学術講演会)
- P1-24 妊娠中に診断されたCIS (Carcinoma in situ)の管理について(Group3 子宮頸部悪性腫瘍3,一般演題,第60回日本産科婦人科学会学術講演会)
- P2-337 産科大量出血における血漿フィブリノーゲンの意義について(Group148 妊娠・分娩・産褥8,一般演題,第59回日本産科婦人科学会学術講演会)
- P1-591 当院における過去三年間の双胎分娩例の統計学的検討(Group74 多胎妊娠1,一般演題,第59回日本産科婦人科学会学術講演会)
- P1-562 当科における重症妊娠高血圧症候群の検討(Group70 妊娠高血圧症候群4,一般演題,第59回日本産科婦人科学会学術講演会)
- 84 分泌期における子宮内膜超音波像と組織像の関係
- 263 胚発育とplatelet activating factor(PAF)産生の検討
- 診療 不正***出血を認める子宮体癌に対する子宮体部(内膜)細胞診の有用性と限界
- 子育て支援専門委員会 思春期保健対策WG 平成20年度 子育て支援専門委員会「思春期保健対策WG」報告書 (広島県地域保健対策協議会 調査研究報告特集号(平成20年度))
- 症例 妊娠29週に腹痛を主訴に母体搬送,妊娠35週に生児を得た,糖尿病性ケトアシドーシスの1症例 (特集 症例に学ぶ:糖尿病合併妊娠のpitfall)
- 20-3.当院での子宮体癌の予後と病理診断(第93群 子宮体部悪性腫瘍10)(一般演題)
- 14-33.動脈管早期収縮(premature constriction of ductus arteriosus)の2症例 : 出生前診断とその有用性について(第69群 胎児・新生児4)(一般演題)
- 11-34.切迫早産と前期破水の治療とその予後(第52群 妊娠・分娩・産褥期4)(一般演題)
- 11-33.前期破水症例の子宮頚管長とその予後について(第52群 妊娠・分娩・産褥期4)(一般演題)
- 2-1.診断的円錐切除術は必要か(第5群 子宮頸部悪性腫瘍5)(一般演題)
- P-396 卵巣癌に対するCBDCA腹腔内投与, CPA点滴静注併用療法における至適AUC値およびAUCと血小板減少率の関係
- P-88 Cervical Intraepithelial Neoplasia(CIN)に対するPhoto Dynamic Therapy(PDT)の効果と副作用 : 特に発熱について
- 403 切迫早産・破水の予知における癌胎児性フィブロネクチン(OFFN)及び顆粒球エラスターゼ(Ela)測定の臨床的意義
- 398 早産の原因と児の予後からみた妊婦健康診査の時期についての検討
- 353 卵巣チョコレート嚢胞に対する経膣エタノール固定法の適応についての再考
- 195 双胎胎児の発育と臍帯胎盤付着部及び臍帯付着部間距離の関連性(双胎間輸血症候群(TTTS)を含めて)の検討
- 470 自然排卵周期及び排卵誘発周期における子宮内膜の厚さと輝度の変化
- 424 排卵障害と卵巣のmultiple biopsyの適応について
- 271 子宮内膜の変化とそれに影響を与える諸因子の検討
- 一絨毛膜性双胎の管理方法とその予後について(第147群 胎児・新生児5)
- 品胎妊娠の周産期管理上の問題点(50症例の後方視的検討から)(第146群 胎児・新生児4)
- 双胎妊娠における子宮頚管縫縮術の適応について(第146群 胎児・新生児4)
- 良性卵巣腫瘍の診断で腹腔鏡下手術した悪性腫瘍症例の検討 : その予後と術前診断の限界と適応について(第103群 卵巣腫瘍11)
- 広汎子宮全摘術における手術方法と副作用軽減効果について(第74群 子宮頸部悪性腫瘍12)
- 子宮頚管無力症における治療的頚管縫縮術の時期とその予後について(第33群 妊娠・分娩・産褥6)
- P-439 腹腔鏡手術時の腹腔内癒着について
- P-431 妊娠20週前後でdiscordancyを伴った一絨毛膜双胎における安静, 子宮収縮抑制, 羊膜穿破術の治療効果
- P-303 HPV感染と子宮頸部病変の臨床経過
- 176 cervical intraepithelial neoplasia(CIN)に対するphoto dynamic therapy(PDT)の治療成績および有害反応
- 172 広汎子宮全摘術における尿管および膀胱支配神経の温存とその効果
- P-509 双胎管理(特にdiscordant twin)における胎児下行大動脈血流量測定(Color flow profile法)の有用性に関する検討
- 417 耐糖能検査からみた妊娠初期GDMスクリーニングの重要性と問題点
- 330 卵巣癌初発例に対するリザーバーを使用したCBDCA(Carboplatin)腹腔内投与(IP)の治療成績
- 178 品胎妊娠管理における母体凝固線溶系の検討
- Color flow profile法による胎児下行大動脈血流量ならびに心収縮能と拡張能を統合した指標であるTei indexによる胎児心機能評価の試み
- 82 骨盤内嚢胞に対するエタノール注入療法
- P-487 腟内胎胞脱出に対する頚管縫縮術 : Shirodkar法の有用性の検討