Radioimmunoassay法による血中prostaglandin F_2_αおよびProstaglandin F_2_α尿中主要代謝物(Prostaglandin F_2_α-Main-Urinary-Metabolite) の測定と,その臨床的検討
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概要
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prostaglandin(以下PGと略)の測定にRadioimmunoassay法が導入され,血中PGと共に,その尿中主要代謝物(PGF_2_α-MUM)の測定も可能となり,妊孕現象に関与するPGの意義の追求が可能とたった.著者も,産婦人科領域におけるPGの意義の解明のため,血中PGF_2_αとPGF_2_α-MUMの同時測定を行ない次の成績を得た.1.正常月経周期婦人のPGF_2_αの変動では,血中,MUM値とも月経時にそれぞれ1.40土0.41ng/ml,14.5土5.Ong/mlと有意に上昇した.また排卵期に最低値がみられた.2.月経困難症での月経時のPGF_<2α>-MUM値ともほぼ並行し,双方とも妊娠中期に最高値を示し妊娠初期で底値となった.3.加令に伴うPGF_<2α>の変動は,内分泌機能が正常の場合は,ほぼ恒常状態を保持する.4.妊娠時のPGの動態は血中PGF_<2α>,PGF_<2α^->MUM値とともほぼ平行し,双方とも妊娠中期に最高値を示し妊娠初期で底値となった.5.分娩発来時期のPGF_<2α^->MUM値は分娩前日に38.6±6.5ng/mlと有意に上昇し,その変化により分娩予知が可能である.6.PGF_<2α^->MUM値は血中PGF_<2α>値の変化からは追求困難な子宮口開大にともなう変化が著名であった.その値は,子宮口開大度0〜3cmで57.8±26.4ng/ml,全開大では144.0±86.5ng/mlの値を示した.血中PGF_<2α>,PGF_<2α^->MUM値ともに分娩時最高値となるが,産褥3日までには,双方とも分娩前値に戻った.7.分娩誘発前のPGF_<2α^->MUM値50ng/mlを基準としてみると,50ng/ml以下ではPGF_<2α>が,51mg/ml以上ではPGE_2応用が有効率が高い結果を得た.8.妊娠中毒症では,症状の進展憎悪にともないPGF_<2α^->MUMの増量が認められ,32〜38週で最高値に達する例が多く早産との関連性が示唆された.その他の異常妊娠(双胎,品胎,糖尿病,Rh不適合,無脳児,ダウン症候群,胎内死亡)例では,胎内死亡例においてのみPGF<2α^->MUM値の上昇を示した点が注目に値する.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1979-01-01
著者
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