無酸素負荷仔マウスの行動実験におけるCDP-cholineの及ぼす影響について
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概要
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CDP-cholineの無酸素症性脳障害に対する効果を臨床的に確認するための基礎として,出生直後に無酸素症の負荷をかけたマウスに生後5日間CDP-choline 50μg/g腹腔内投与し,生後21日,28日,35日目に行動実験を行ない,control群及び仮死後無処置群と比較した.実験は,光及び音を条件刺激に,40Vのgridの電流を無条件刺激として,学習,再学習,消去をそれぞれ1週間間隔で観察した.出生後の体重増加は生後3週までは差はなかつたが,その後CDP-choline投与群で幾分低値をとる傾向を示した.運動機能はcontrol群では成長するに従つて低下したがCDP-choline投与群では生後4週でpeakを示した.学習実験ではCDP-choline投与群では陽性率が高く,反復学習の効果も良好であつた.再学習実験では仮死後無処置群が低い陽性率で経過したのに対し,CDP-choline投与群では20回反復まではcontrol群と差がなく,30回反復ではcontrol群よりも幾分低値であつたが,仮死後無処置群に比べ改善効果が認められた.消去実験ではcontrol群,仮死後無処置群の陽性率がほぼ同様の下降線をたどつたのに対し,CDP-choline投与群では消去の遅延が認められた.以上よりCDP-choline投与により無酸素症性脳障害に対し,その後の精神発育の遅延をある程度防止できると期待される.
- 1977-11-01
著者
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