実験的無酸素性脳障害の治療に関する生化学的研究 : 殊にCDP-choline, cytochrome C, DHASの解糖機能に及ぼす効果
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概要
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無酸素症性脳障害の治療の観点から,代謝機能改善作用をもつ薬剤中,特にCDP-choline, cytochrome C, DHAS (dehydroepiandrosterone sulfate)を選び,出生後24時間以内に無酸素性の負荷をかけた新生仔マウスに生後5日間上記薬剤を腹腔内投与し,生後10日目にglucose-U-^<14>Cの腹腔内投与による解糖系代謝の改善効果を検討した. 今回検討した三剤とも,中枢神経系のエネルギー代謝を改善し,無酸素症性脳障害の治療薬として有効性が推測された.しかしその作用機序についてはCDP-choline及びcytochrome Cでは糖取り込み,利用度ともに増加し,それに伴つてATPの増加がみられた.このことから,これら2つの薬剤は解糖機能改善により無酸素症性脳障害の回復に役立つと考えられる.一方DHASは五炭糖燐酸回路を賦活し核酸代謝を改善するといわれているが,糖の取り込みは前2者に比べ低く,血糖も低値であつた.このことから治療に際しては同時に糖の供給が必要と考えられるが,エネルギー平衡面からみた治療効果も他の2剤に比し少ない.治療上無酸素症性脳障害の治療にはこれらの薬剤を有効に組合わせることによつて効果が期待される.
- 1977-09-01
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