新生児の蛋白質, 脂質, 糖質ならびに水分の出納に関する実験的研究
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概要
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正常新生児を母乳, 高脂質粉乳, 高糖質粉乳で栄養し, 出生日を第1日として第3, 5, 7日と経日的に蛋白質(窒素として), 脂質, 糖質ならびに水分の出納につき各群の推移を比較した.窒素出納は母乳群では第1日より正の出納を示し蓄積率も生後第3日に90.17%と最高であるが, 高脂質, 高糖質両群は第1日に負の出納を示し第3日に高脂質群では経日的にこの群最高の61.41%を示し, 高糖質群では37.10%と母乳, 高脂質粉乳両群に比して有意に低い蓄積率である.脂質出納では摂取脂質量の最も大なのが高脂質群であることは当然であるが, 吸収率は母乳群が最も高く, 次いで高脂質群であり, 高糖質群では摂取脂質量が小なるにもかかわらず吸収率は有意に低い.経日的推移において母乳群が生後第3日以後90%以上, 高脂質群が70%以上の吸収率を示すに反して, 高糖質群では吸収率が経日的に低下の傾向を示す.糖質出納での吸収量は母乳群, 高脂質群が相似た値であり, 高糖質群は有意に高い値を示す.その経日的推移は母乳群が第3日以後段階的に増加するが, 高脂質, 高糖質の人工栄養両群では第3日より第5日への増加が有意差を認めるのみである.水分出納の経日的推移においては生後第1日は3群共に負の出納を示すが, 第3日には全群正の出納となる.その後母乳群は第5日に, 高脂質群は第7日に僅かに負の出納であるのに比して, 高糖質群では経日的に正の出納を維持して水分蓄積量を増加している.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1974-12-01
著者
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