過排卵及び反復過排卵処置によつて惹起された家兎卵巣の形態学的観察について
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概要
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P.M.S., H.C.G. の投与による過排卵, 反復過排卵処置に伴い, 日本白色種成熟処女家兎の卵巣に惹起された形態学的変化と, その修復過程を観察し, 同時にI型よりVI型に分類した各卵胞数の算定から得られた各卵胞型の出現比率にいささかの検討を加え, 次の結果を得た. 1) 形態学的変化は, 肉眼的所見, 組織学的所見のいずれも, 修復迄の時間的経過は異るが, 修復可能である. 2) I型よりVI型の各卵胞型の出現比率の変化とその修復の推移より, 排卵と密接な関連を有する卵胞はV型,VI型卵胞である事, 卵胞はその成熟度により Gonadotropin に対する感受性が異り, 成熟度の低い卵胞は感受性も低く, 成熟度の高い卵胞は感受性も高い事, I型卵胞 (原始卵胞) は Gonadotropin に対する感受性が極めて低い事等が推定された. 以上の結果から直ちに臨床的に結びつくとは言い難いが, 少くとも P.M.S., H.C.G. による Gonadotropin 療法に対して形態学的な1つの妥当性を附与したものと考えられると同時に, その実施に当つては卵巣の形態学的所見, 特に卵胞動態の把握とそれに対する理解が肝要と思われた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1973-07-01
著者
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