腟内に投与された酢酸フェニル水銀の体内分布と胎仔への影響に関する実験的研究その1 血中吸収と排泄

概要

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本実験は放射性同位元素^<203>Hgラベルの合成酢酸フェニル水銀 (PMA-^<203>Hg)による放射化学的検査法によって行なわれた. 親水軟膏を基剤とする PMA-^<203>Hgの腟錠を作製し, これを体重150〜200gの成熟雌ラットの腟内に投与し, 吸収・排泄の状態を逐時的に観察した. 放射能測定はウエル型シンチレーションカウンターにより,^<203>Hgの放出するγ線を測定し, その計数値から投与・吸収・排泄にあずかる酢酸フェニル水銀のグラム数を算定した. 血中分布を調べる目的でPMA-^<203>Hg腟錠の1回投与, 分割投与後, 逐時的に採血しその消長を観察した. いずれのラットにおいてもPMA-^<203>Hgの血液中への吸収は認められたが, その吸収速度には多少の相違があった. 分割投与は1回投与と比較する意味で行なわれたが, 両者における血中分布には顕著な差はなかった. 排泄は1回投与群のラットの糞・尿を材料として投与後30日間にわたり, 逐時的に観察された. 血中への吸収速度と排泄速度との間には正の相関関係を認めた.
1970-04-01