本邦妊婦に対する脂質投与基準についての考察に関する研究(第2報)
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概要
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第1報において正常末期妊婦および晩期妊娠中毒症妊婦に対し, 著者等の考案作製した質的, 量的に異なる高脂肪実験食を投与し, その際のケトン体の変動につき検討し, 若干の知見を得た.第2報においては, さらに同一条件下おけるα-ケトグルタール酸の消長を追求し, その成績につき報告する.すなわち, α-ケトグルタール酸は, 正常末期妊婦においては, ケトン体同様, いずれの場合も著明な変動を示さなかつたが, 晩期妊娠中毒症妊婦においては, 脂肪60gでは必須脂肪酸の含有量の多少にかかわらず著明な変動を示さず, 脂肪90gでは, 必須脂肪酸含有量を関係なく, 尿中排泄量が著明に増加する傾向が認められた.以上, 第1報におけるケトン体, 第2報におけるα-ケトグルタール酸の成績を合わせ, 正常末期妊婦においては, 脂肪90g投与でも差支えなく, しかるに, 晩期妊娠中毒症では, 脂肪60g, その中の必須脂酸30%が適切であると推論した.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
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