Estriolに関する基礎的並びに臨床的研究
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概要
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Estriolの生理作用上の特異性いついて基礎的に検討し, 子宮に対する作用に比べて腟に対する作用はかなり強いこと, estradiolやestroneの子宮作用を抑制するimpeded estrogenの性格をもつこと, progesteroneの子宮作用を抑制する作用も比較的強いことから, 妊娠分娩の生理の上で同時に増量している他の性steroidに対しbuffer的な作用を演じていることが示唆された. 次いで臨床的に妊娠時に於けるestriol代謝像を明らかにし, 産科領域に於けるestriolの意義について検討した. 即ち妊婦尿中estriolの簡易定量法を考案しこれによる妊婦尿中estriol値の測定が胎児胎盤機能の検査法として役立つことを認めた. 更に新しく考案した子宮腟部の硬度測定器を用い, 妊娠の進行に伴う子宮腟部の潤軟化が妊婦尿中estriolの推移とほゞ平行すること, 従ってestriolが軟産道柔軟化機序に一役を演じていることを示唆する成績を得た.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1968-04-01
著者
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