産婦人科領域における腟内塗抹細胞 (一部捺印塗抹細胞) 組織切片及び培養細胞の核内DNA定量に関する研究
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概要
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細胞単位のDNA量は, 細胞の活性度, 分化, 性格, 悪性化等の諸問題と当然密接な関連を有すると想定される. DNAの細胞化学的定量は, 組織化学的検出法と光学測定法の著しい進歩によりその測定値の信頼度は極めて高くなっている. 著者は産婦人科領域に求め得られる豊富な材料, 種々の症例につき, 塗抹細胞, 組織切片, 培養細胞の核内DNA量をFeulgen染色, 二波長法による顕微分光測光法により測定し, 次の成績を得た. 1. 正常月経周期例については, 排卵直前にやや高値となる. 2. Papanicolaou分類塗抹標本のclass IV, Vにおいては, class I, II, IIIに比し, DNA量, 核の大きさともに増加の傾向を示し, 正常群最高値の4倍量の細胞を認めた例はすべて病理組織学的に癌であることが証明された. 3. Glatthaar分類による組織切片につき検討するに, 上皮内癌, 浸潤癌におけるDNA量は層による変動がなく, また正常, 異常, 不隠上皮に比し, 有意に高値を示した. 4. 各種培養細胞につき検討するに, 正常材料由来細胞では殆んど2倍値に限局するが, 癌由来細胞では有意に核も大きくDNA量も高値を示した.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1968-04-01
著者
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