子宮癌集団検診における一次検診細胞採取法の検討 : 綿棒法とスパーテル法及び綿棒法・コルポ診併用法との比較

概要

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島根県の子宮癌集団検診において,より効果的に検診を行なうために,細胞採取法の点より綿棒擦過単独法,スパーテル擦過単独法及び綿棒擦過・コルポ診同時併用法の3群において比較検討した. 1) 昭和48年∿57年の10年間における島根県の子宮ガン集団検診受験者数214,798名のうち,綿棒単独法42,442名中,異型上皮23例(0.054%),上皮内癌6例(0.014%),浸潤癌8例(0.019%)が発見され,スパーテル単独法38,106名中異型上皮35例(0.092%),上皮内癌18例(0.047%),浸潤癌26例(0.068%)が発見され,コルポ診併用法134,249名中,異型上皮391例(0.291%),上皮内癌57例(0.042%),浸潤癌78例(0.058%)が発見され,明らかに異型上皮の発見率が綿棒・コルポ診併用法で多かった. 2) 綿棒・コルポ診併用法において,細胞診陰性で発見された病変は,軽度異型上皮214例,高度異型上皮65例,上皮内癌11例,浸潤癌7例であった. 以上より,一次検診にコルポ診を併用することは,高度異型上皮や上皮内癌等の初期病変の発見に優れ,false negativeを少なくし,一次スクリーニングに最も有用であると推測された.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1985-07-01