子宮頚癌進行期に対するCDDPとPEPの昇圧動注療法に関する研究 : IADSAによる最適ATII投与量の決定
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概要
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我々は進行子宮頚癌に対し, 手術および放射線治療前に両側内腸骨動脈より Cisplatin (CDDP)と Peplomycin(PEP)の動注療法を行つている. その際に二次的に腫瘍内血流量を増加させ, 効果を倍増させるために Angiotensin II (ATII)の点滴静注を行つている. しかし症例によつてATIIの投与速度と昇圧率および腫瘍内血流量が異なるため, 今回, より安全に, より容易にATIIを使用するために Intra-arterial digital subtraction angiography (IADSA)を使用し腫傷内血流量の増加を確認しながら, その症例に適したATII投与速度を決定し, 次の結果を得た. 1. 進行子宮癌に対し, 昇圧動注化学療法が有効であることが組織学的に確認でき, 手術・放射線治療の併用療法として期待できることが示唆された. 2. ATII投与による昇圧によつて, 子宮腔部の悪性腫瘍内血流量の増加がIADSAによつて半定量的に確認でき, Dynamic CTによる裏付けが可能であつたが, ATII投与速度と昇圧, 腫瘍部 Densityの増加率には相関はみられず, ATII投与速度の画一化は困難と思われる. 3. よつて操作の簡便なIADSAを使用し, 腫瘍部の血流増加を半定量的に確認することによつて, 症例ごとにATII投与速度を決定し, 安全かつ有効な昇圧を行うことが可能である. また, 昇圧療法の3条件, 平均血圧150mmHgへの昇圧, 平均血圧の昇圧率1.5, 収縮期圧の昇圧差50mmHgのすべてを満たせば, 腫瘍内血流増加は十分であると思われる.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1988-07-01
著者
-
高橋 健太郎
島根大学医学部産科婦人科
-
高橋 健太郎
島根医科大学医学部産婦人科学
-
森山 政司
島根県立中央病院産婦人科
-
岩成 治
島根県立中央病院産婦人科
-
高橋 健太郎
島根県立看護短期大学
-
杉村 和朗
先端医療センター・pet診療部
-
杉村 和朗
島根医科大学医学部放射線医学教室
-
北尾 学
島根医科大学医学部産科婦人科学教室
-
古川 雅彦
島根医大放射線科
-
岩成 治
島根医科大学医学部産科婦人科学教室
-
伊達 美江
島根医科大学医学部産科婦人科学教室
-
中山 理
島根医科大学医学部産科婦人科学教室
-
都 仁哉
島根医科大学医学部産科婦人科学教室
-
木島 聡
島根医科大学医学部産科婦人科学教室
-
森山 政司
島根医科大学医学部産科婦人科学教室
-
山本 和彦
島根医科大学医学部産科婦人科学教室
-
飯田 幸司
島根医科大学医学部産科婦人科学教室
-
古川 雅彦
島根医科大学医学部放射線科学教室
-
北尾 学
島根医科大学 産婦人科
-
岩成 治
島根医科大学 産婦人科
-
中山 理
聖隷浜松病院産婦人科
-
山本 和彦
島根県立中央病院
-
木島 聡
島根医大
-
森山 政司
島根医科大学 産婦人科
-
伊達 美江
島根医科大学 産婦人科
-
都 仁哉
島根医科大学産婦人科
-
飯田 幸司
島根医科大学医学部産科婦人科
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