性成熟期排卵障害婦人の血中hormone levelとKuppermah更年期不定愁訴について
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概要
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更年期障害の原因究明を目的として103例の性成熟期排卵障害婦人のKupperman(更年期)不定愁訴の内分泌相関を検討した.排卵障害が無排卵月経周期から第?度無月経,第?度無月経へと高度になるに従ってKupperman指数は増加した.また排卵障害が進むにつれてFSH,LHは有意に増加し,estrone(E_1),estradiol(E_2)は有意に低下した.Prolactin(PRL)は低下傾向を示した.各愁訴に特徴的な内分泌像は,のぼせ・熱感のFSH,LH高値,E_1,E_2低値,入眠障害,易興奮,易疲労のFSH,LH高値,E_2低値,神経質のLH高値,E_2低値,頭痛のLH,PRL高値,E_2低値,冷え症のE_2,PRL低値,痺れ感,肩こりのE_2低値であった.以上の内分泌異常は各愁訴の発症に関与している可能性がある.複数の内分泌異常が認められた愁訴ではE_2低値に最も強く相関し,次いでLH高値に相関していると推測された.正常月経周期(105例)の排卵期に特異的に比較的高率に認められた易疲労と頭痛はLH高値に強く相関していると考えられた.以上の結果から過半数のKupperman(更無期)不定愁訴は各愁訴に特異的な内分泌異常を背景として性成熟期婦人においても発症し得ることが判明した.さらに狭義の更年期障害(自律神経失調型)においても同様な内分泌異常が各愁訴の発症に関与していると推測出来た.また上記愁訴のある性成熟期排卵障害婦人には排卵誘発を原則とした治療を行う必要があると考えられた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1985-01-01
著者
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