婦人の加齢,更年期障害,子宮頚癌における血中性関連steroid hormoneについて
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概要
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20歳以上の健常婦人で各年代(卵胞・黄体期・閉経後),閉経前後(月経正順・不順・閉経後),更年期障害(自律神経失調症型,更障と略)の肘静脈血,子宮頚癌(Stage Ia-b)の各年代,各期,性機能別での卵巣関連動(IA)。静脈(OV),肘静脈(PV)血で,estrone(E_1),estradiol(E_2),estriol(E_3),progesterone(P),testosterone(T)の性関連 steroid hormone(SH)を測定し,以下の結果をえた.1)Estrogen:E_1,E_2,E_3は全体的にほぼ同様の推移で,月経正順群では,卵胞・黄体期間に差はなく,40歳以後低下しはじめ,不順・閉経後3年未満まで漸減し,閉経3年以後著明な低値となり,以後同様に推移した.E_2では以上の傾向が著明で有経期の40歳以後とくに明らかであった.2)P,T:Pは有経期では黄体期で高値,40歳以後では未満に比べ低値,不順・閉経期群では不定であった.Tは有経期では各年代で差はなく,不順・閉経期では加齢につれ漸減し,閉経後5年以後著明に低下した.3)SH比:Eの各分画は,相互間で差がなく,E_1,E_2,E_3/Tは,正順群の各期では不定で,不順・閉経期以後は漸次低下した.4)更障:更障では正常更年期に比べ,Eの各分画は有経群でわずかに,不順・閉経以後群では明らかに低下した.Pは有経群で傾向として,Tは不順・閉経期で明らかに低値を示した.5)頚癌:頚癌のEの各分画は正常婦人と比べ差がなかったが,Pは不順群でやや高値の傾向を示した.Tは有経期の40歳代で高値の傾向であったが,不順・閉経期では差はなかった.各SH比も同様であったが,頚癌では正常婦人に比べ,正順・不順・閉経群いずれでも,E/Tは高かった.6)卵巣関連動・静脈血中のSH:EのIA,PV値は同様で,OV/IAは,全年代で数十倍で,閉経後は量が低下した.P,TもIA,PVは同様で,OVではIAに比べ,やや高値であった.
- 1982-09-01
著者
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