日本人女子高校生の骨密度・初経年齢・体格へのエストロジェン受容体遺伝子の関与

概要

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当院近郊の高校1997年入学の女生徒全員99名の橈骨遠位1/3骨密度をDEXA法(アロカDCS600)で年1回3年間計測し骨密度成長を検討した.エストロジェン受容体(以下ERと略す)遺伝子多型をRestriction Fragment Length Polymorphism法で検討, 制限酵素Pvu IIで切断されないものをP, 切断されるものをpで, 制限酵素Xba Iで切断されないものをX, 切断されるものをxと示し, 骨密度・骨密度成長・初経年齢・体格との関連を検討した.15歳時の平均橈骨骨密度は0.611±0.046SD(標準偏差)g/cm^2であった.1年後の骨密度成長は平均0.0158±0.015SD g/cm^2, 次の1年後は平均0.0095±0.015SD g/cm^2であった.ER遺伝子多型出現頻度はPP:Pp:pp=20:50:29, XX:Xx:xx=2:33:64であった.Pp群は他群よりもBMI(p=0.03)と体重(p=0.02)が有意に大きくPvu IIで分類されるER遺伝子多型は体格に影響を与えていると思われた.Xx群は初経年齢有意に早く(p=0.02), Xba Iで分類されるER遺伝子多型は性成熟の早さに影響していると思われた.高校生においてはER遺伝子多型ごとの骨密度および骨密度増加速度は有意差を見出せなかった.
2001-10-01