Sodium thiosulfateによるCisplatin腹腔内投与後マウス卵細胞破壊のRescue
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概要
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純系雌マウス C57BL/6に, 生後6週および7週の2回の Cisplatin (CDDP) 0.1mg/0.2ml 生食液/マウスを腹腔内(IP)投与し, また色々な時間差(CDDP 投与前60, 30, 15分, CDDP と同時, CDDP 投与後15, 30, 60分) で Sodium thiosulfate (STS) 20mg/マウスを背部皮下 (SC) 投与した. 9週齢でマウスを殺し, 両側卵巣を摘出してホルマリン液固定し厚さ4μで連続切片を作成し, 20切片ごとにマウントして, ヘマトキシリン・エオジン染色後, 遺残小卵細胞数を数えた. CDDP・STS 併用, CDDP 単独および STS 単独の9群それぞれに7〜8匹のマウスを用い, 9群相互間の有意性は, general linear models 法により F 検定した. STS の SC 投与が CDDP IP 投与と同時か, CDDP 投与前15, 30分の3群では, 遺残小卵細胞数は STS 単独の場合の約73%に減少した. (p < 0.01). 一方, CDDP 単独群の遺残率28%に比べれば遺残率が有意に高く (p < 0.01), 約45%の小卵細胞破壊が rescue された. なお STS が投与前60分に SC 投与された場合も45%の遺残率を示し CDDP 単独群に比べ有意に高く (p < 0.05), 15%の rescue が示された. STS の SC 投与が, CDDP の IP 投与より遅れた3群の遺残率は, CDDP 単独群と同様であり STS による rescue は全く認められなかった. STS が CDDP による卵細胞破壊を rescue するためには, CDDP が卵細胞や顆粒膜細胞などの標的細胞に取り込まれる以前に, 細胞外で CDDP と結合し不活化する必要があることを示唆した.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1990-11-01
著者
-
武田 佳彦
東京女子医大産婦人科
-
井口 登美子
東京女子医科大学産婦人科
-
井口 登美子
東京女子医科大学 解剖
-
武田 佳彦
東京女子医大
-
滝沢 憲
東京女子医科大学産婦人科学教室
-
島 由実子
東京女子医科大学産婦人科学教室
-
佐藤 美枝子
東京女子医科大学産婦人科学教室
-
横尾 郁子
東京女子医科大学産婦人科学教室
-
島 由実子
東女医大
-
横尾 郁子
虎の門病院
-
島 由実子
東京女子医科大学 産婦人科
-
尾崎 郁枝
東京女子医大
-
佐藤 美枝子
東京女子医科大学
-
滝沢 憲
東京女子医科大学産婦人科
-
井口 登美子
東京女子医大・第二病院
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