婦人***癌の^<60>Co放射線療法時におこる急性全身性皮膚発疹の臨床的研究
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概要
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婦人***癌の放射線療法時に時折発生する全身性の皮膚発疹の臨床像, 本態, 治療等については未だ系統的な研究を試みたものはなく, 従って本症は全く未解決といってよい合併疾患である. 著者は昭和37年1月1日より昭和38年12月31日迄の2年間に, 当教室で実施した婦人***癌の^<60>Co放射線療法中に発生した本症患者22例につき臨床的観察を行い, 次の如き結論を得た. (1)発生頻度は9.4%. (2)22例中20例は子宮頚癌患者より, 残り2例は腟癌患者より発生した. 即ち発生頻度は前者では28.6%, 後者では10.8%で, 他の***癌から発生例は1例もなかった. (3)22例中19例は純放射患者より, 残り3例は術後放射患者より発生した. 即ち発生頻度は前者では12.6%, 後者では3.6%. (4)照射開始より発疹発生迄の期間は最短9日, 最長104日, 平均43日. (5)アレルギー性疾患の既往歴は22例中5例(22.7%)に見られた. (6)発疹の性状は湿疹様, 中毒疹様, 紅斑様を呈するものが多い. (7)自覚症状としては皮膚掻痒感, 放射線宿酔症状を伴うものが多い. (8)治癒迄の日数は最短9日, 最長153日, 平均41日. (9)血液像では発疹極期に好酸球の著増傾向が見られ, 赤沈値は発疹初期, 極期にかなり促進し, 肝機能は極期で22例中18例(81.8%)に障害を認め, ***分泌物中からは主としてブドウ球菌, 連鎖球菌, 大腸菌を検出し, 血液培養検査成績は発疹, 対照両患者とも, すべて陰性であった. (10)治療法としては副腎皮質ホルモン製剤が著効を呈した. (11)本症の発生機序としては, 放射線照射により破壊された組織の変性分解産物にもとづく一種のアレルギー性反応によって惹起される可能性が考えられるが, ***, 腸管等の細菌叢も又, 本症の発生に, かなり重要な原因的役割を演ずるのではないかと思われる.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1965-09-01
著者
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