新生児の尿反応について
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概要
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新生児の生理的な尿の組成については, 現在迄いくつかの報告がみられるが, 未だに定説はなく, また我が国ではまだその報告もすくない. そこで私は主に生後10日目迄の, 新生児548例(未熟児104例を含む)の自然尿について, Ames社製の試験紙或は試験錠剤を使用して尿中の蛋白・糖・pH. アセト酢酸とアセトン・ビリルビン・フェニールケトン・赤血球を夫々検査し次の如き結果を得た. 蛋白尿は33.0%, 糖尿は99%, アセト酢酸或はアセトン尿は1.8%, ビリルビン尿は22.5%, フェニールケトン尿は10.5%, 赤血球尿は6.4%を夫々示し, また平均pHは5.9であった. これらは何れも生後1〜3日目に最も多く現れて, その後次第に減少し成熟児では生後11日目以降ではいづれの反応も陰性であった. しかし未熟児では生後11日目以降でも各反応について陽性をみたものがかなりあり, 特に生下時体重2,000g未満のものでは生後10日目以内でも成熟児に比して陽性を示す例が多く, また生後かなりの日数をすぎても未だに陽性を示したものがあった.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1965-03-01