特殊なる植物抽出物O.E.の抗癌性並びに抗菌性に関する研究

概要

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1940年SugiuraがYeast, Yeast Extractにラッテ肝癌の発癌阻止作用のあることを報告して以来, Yeast菌細胞壁にあるpolysaccharideであるZymosanに抗腫瘍性のあることがBradnerらによって報じられて来た. 一方Coley's toxinに端を発するBacterial metabolite, 最近に到っては, Streptomyces属の抗腫瘍性に注目が集まり, おびただしい研究がなされている. こうした観点からO.E.(Otaka Enzyme)の初期Moromi中にToruloposis lactis, Hansenula anomala, Saccharomyces Souxii, Streptomyces aureus等を含むO.E.の抗菌性抗癌性のScreening testに興味をもち研究を行ってみた. Screeningに使用したSarcomaはYoshida Sarcoma, Takeda Sarcoma, MTK III Sarcomaで夫々感受系ラッテの背部皮下に移植し, 結節型肉腫をつくり, 経口的にO.E.を投与し, 抗腫瘍性の有無を検討した. 成績は腫瘍の種類によりまちまちであったが, 夫々延命効果, 治癒効果をみとめ, 治癒せるラッテに対する2次移植は, 抗腫瘍性を獲得したためか不成功に終った. 次で行った腹水型武田肉腫細胞に対する影響は, 腹腔内移植後, 腫瘍細胞の増殖力の最も強い48時間後に行ったが, Na_2HPO_4でpH7.0に調整されたO.E. 1ccの腹腔内注入により, 腫瘍細胞の脆弱化または一部破壊像が観察されたが, 腹水中に浮遊せる赤血球には何等形態的変化を認めなかった. 更に腫瘍細胞中Succinic acid dehydrogenase活性はO.E.注入後著明に抑制された. 抗菌性テストではStreptococcus, Staphylococcus, Bacillus Pyogeneus, Salmonella Typhosa, Bacillus colli(以上標準株)に可成りの抗菌性を示し, 枯草菌, 乳酸菌では逆に増殖を促進し, Candida albicans等に対しては何等の影響もなかった. 現在のところこれらの作用機序について不明の点も多いが, 一応, 直接作用としての抗腫瘍性, 抗菌性にZymosan, Streptomyces aureusのmetaboliteなどが考えられるが, 間接的には, 有毒アミンの中和能力が強いところから, 担癌動物の悪液質の改善, つまり抗Toxohormone作用が強く想定され, この点追求中である.
1965-03-01

特殊なる植物抽出物O.E.の抗癌性並びに抗菌性に関する研究

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