子宮筋腫の内分泌環境に関する研究 : 特に尿中下垂体性Gonadotropinの排泄について
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概要
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子宮筋腫とEstrogenとの関連についての報告は多いが, 上位性ホルモンである下垂体性Gonadotropinと筋腫との関連についての報告は極めて少ない. 著者は子宮筋腫と下垂体機能との関連について検索すべく, 45例の筋腫婦人の尿中下垂体性Gonadotropinの測定を行ない, 併せて尿中Estrogenの分画測定, 尿中total 17-KSの測定を行ない, 子宮筋腫の内分泌環境を綜合的に窺った. 又筋腫婦人の肥満性及び血圧についても観察を行なった. 尿中Gの測定には, 幼若マウス子宮重量法による生物学的定量法及びCrooke & Butt法の化学的定量法を併用して行なった. 又化学的定量法による分画GA, GBについて夫々生物学的反応を実施して, 分画GAは臨床的意義を有することを確認した. 実験成績 1) 45才以前の筋腫婦人に於いて著明な尿中Gの増量を認めた. 又筋腫重量とG値は有意の相関々係を有し, 筋腫の発生, 発育に下垂体性Gが密接な関連を有していることを認めた. 2) 筋腫子宮の内膜像は増殖期像を呈するものが多かった. 3) 筋腫婦人に於いて尿中Estrogenの分画値中Estriol値の著明な増量が特徴的であった. 4) 尿中total 17-KS値は増加の傾向にあった. 5) 筋腫婦人に肥満者の多いことがわかった. 6) 子宮筋腫と高血圧との間には関連性を認めなかった.
- 1965-02-01
著者
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