HeLa細胞の増殖に及ぼすsteroid hormoneの影響
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概要
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組織培養法の発展の途上に純粋癌細胞株としてHeLa細胞の培養確立に成功したことは画期的な業績であり, 癌の研究に有力な手段となった. これ迄にHeLa細胞を使用した多くの実験報告がなされているが, その目的は本細胞が子宮頚部由来であること, 上皮性細胞であること, 悪性細胞起源であることの3点に帰すると思われる. 本細胞の分離以来10数年を経た今日, これらの習性を保持しているかどうかということは興味ある課題であろう. 著者はHeLa細胞がin vitroにおいていかなるhormone惑受性を示すかについて検索を試みた. 低濃度のestrogenでは増殖促進がみられるが, 高濃度では抑制される. testosterone, progesteroneでは増殖が抑制され, hormoneの濃度が増すに従って抑制効果が増強される. cortisoneや蛋白同化作用のある4cl-testosterone acetateの低濃度では無影響であるが, 高濃度では軽度な抑制効果が認められた. このようにHeLa細胞は. steroid hormoneにかなり特有の感受性を示し, その濃度によって異なることは, なお子宮頚部上皮の性質を保有しているごとくみえる. 細胞核数算定法による増殖曲線と形態学的変化とを経目的に追求したが, 両者が互いに関連して推移することを観察した.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1965-01-01
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