分娩前後の尿中カテコールアミンの消長に関する研究
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概要
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Adrenaline (Ad) 及び noradrenaline (NAd) は子宮筋の運動に関与し, 又妊娠は母体の内分泌環境に大きな変化をもたらす. 更に分娩は生理的なものとは云え母体にとってstressである. 尿中Ad及びNAd排泄値をtrihydroxyindol法で測定し, 妊婦のそれは妊娠月数とともに増加する傾向がみられ, 又, 日内変動が認められ昼間高く, 夜間低値である. 晩期妊娠中毒症を合併した場合にはNAd排泄に軽度の増大がみられた. 分娩の正常に経過した群と遷延した群の尿中Ad, NAdの排泄値を比較すると, 分娩第1期における単位時間のそれは両群間に差はない. 陣痛発来中のそれは両群共に高値であった. 又産褥第1, 2日目共に両群間で差はない. 妊娠満期婦人の陣痛発来前後の経時的採尿, 尿中Ad, NAd及びvanillyl mandelic acidを同時測定し, この3者がよく平行して消長し, この3者が低値時に陣痛の発来することを知った. 更にOxytocin誘導分娩時の陣痛発来前後を経時的採尿し, Ad及びNAdを測定した. Oxytocin投与後尿中Ad及びNAd排泄値は減少, その後陣痛発来をみると尿中Ad及びNAd排泄値は著明に増大した. そしてOxytocin誘導分娩時の尿中Ad及びNAd排泄値の動態と自然発来分娩時のそれと全く同様であることを知った.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1964-09-01
著者
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