子宮収縮エネルギーに及ぼす性ホルモン並びに妊娠の影響
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概要
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著者は第1報に於て子宮の収縮力を指標として性ホルモンの作用機序を検討し, 性ホルモンは子宮筋の細胞膜の興奮性に関与するのみならず子宮筋肉の収縮エネルギー代謝に大きく関与している可能性を示した. この性ホルモンの子宮筋収縮エネルギー代謝に対する影響を更に解明する手段の1つとしてはこのエネルギー代謝を動かす熱源であるATP等の高エネルギー燐酸化合物の動きが性ホルモンで如何に影響されるかを探ることが必要となる. そこで著者は性ホルモン並びに妊娠子宮筋内のaclenosine燐酸の含有量を測定し, 更に代謝阻害剤 (IAA, DNP, NaN_3) 作用時の内分泌処置筋収縮の際の高エネルギー燐酸の消長を検討した. その結果, 子宮筋の収縮性は内分泌因子によって影響を強くうけることはよく知られているが, 収縮エネルギー源であるATP量の増加が特に卵胞ホルモンによってもたらされ, 一方黄体ホルモンは極めて特異的に働き, ATP量の増加の点では卵胞ホルモンと協同的に働き, 一方興奮性については拮抗的に働く事, 又妊娠子宮の収縮と高エネルギー燐酸の消長との関係は両ホルモン併用群のそれと質的に差を認めなかった事より, 両ホルモンは一面では協同的に, 又一面では拮抗的に働き, 妊娠の持続の為に合目的に働く事が判った.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1964-09-01
著者
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