晩期妊娠中毒症及び後遺症患者腎糸球体の電子顕微鏡的研究
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概要
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妊娠蛋白尿患者1例, 子癇前症患者10例, 子癇患者3例, 後遺症患者3例に腎生検を行い, 電子顕微鏡的に腎の病理組織像を観察した. 正常妊婦と軽度な妊娠蛋白尿患者の腎の電顕像には殆んど差がみられないが, 正常妊婦のそれと子癇前症及び子癇患者のそれとの間には著明な相違を認めた. 又重症な子癇前症と子癇の間には腎病変による差異はみとめられない. 基底膜には種々の程度や種類の肥厚がみられ, これは中毒症腎の電顕像の主病変の1つの様に思われた. 又毛細血管腔の狭小や閉鎖の主因は内皮細胞の腫大に負うところが大きい. 更に基底膜下に無形沈着物がみとめられた. この様に中毒症患者腎に於ては糸球体腎炎よりもネフローゼ症候群の腎の電顕像に似た像がみられた. 又後遺症患者の糸球体の電顕像は中毒症時の病変の修復所見の如く思われた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1964-12-01
著者
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