晩期妊娠中毒症患者の腎生検による後遺症の研究
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概要
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晩期妊娠中毒症後に発生する後遺症を予測したり, 或はこれを防止する事は母児の健康にとって重要なことである. 従って私は中毒症患者に腎生検を行い, 腎の病変と後遺症遺残との関係, 更に又腎の病変及び臨床症状と後遺症の間に如何なる関係があるかを検討する為に本研究を行った. 腎の病変の観察にあたっては糸球体, 尿細管, 腎細小動脈の3つに分け更に夫々の病変を程度に従って分類した. 後遺症遺残を予知する上には中毒症患者の腎生検では腎細小動脈の病変が一番関係深い, 純染型中毒症で後遺症を残した例は腎細小動脈に中等度以上の肥厚がみられる. これが将来本態性高血圧症に発展するところの前駆の腎細小動脈の病変であるのか, 或は中毒症自体による変化であるかは判然としないが, 後遺症発生の重要因子と思われる. 又臨床症状の軽重は腎病変の程度と関係がみられた. 以上の如く腎生検は後遺症の発生を予測する上に大きな助けと成り得るものと思う.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1964-11-01
著者
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