婦人科領域における (特に子宮頸癌に合併した) 尿路感染症の起炎菌と薬剤感受性に関する研究
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概要
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子宮頚癌の手術療法や放射線療法中は, 高頻度に尿路感染症を合併し, 屡々腎障害を招いて死亡の原因となる. 他方, 抗生剤の発達は耐性菌の増加をきたし尿路感染症の様相に変化をもたらした. 私は昭和36年4月より昭和38年11月までの間に岡林手術後のもの63例, 放射療法のもの43例, 子宮頚癌以外の婦人科一般手術を受けたもの41例, 産褥群31例, 一般外来患者16例, 子宮頚癌治療退院後追求した癌再来群14例にそれぞれ合併した尿路感染症を対照に起炎菌の種類, 薬剤耐性を観察し次の結論を得た. A) 起炎菌の分布について 1) 対照群ではブ菌Escherichia coliがそのほとんどを占め, 頚癌入院群ではブ菌に代ってProteusが多い 2) 頚癌合併群では2種以上の細菌が同時に感染する場合が少くない. その頻度も癌の進行期が進むほど高くなっている. B) 薬剤感受性について 1) 薬剤の尿中濃度を基準にして耐性率をみると, KMは最もすぐれた抗菌力を示した. 2) ブ菌は他のグラム陰性桿菌に較べ耐性菌はすくない. 3) 同じ腸内細菌でも尿路系にはいったものは強い耐性を持ったものが多い. 4) 子宮癌群での尿路感染症起炎菌の耐性は対照群に比較して高い. 5) 耐性菌の高頻度に分布する原因の1つに院内感染の多いことは否定できない. C) 治療について 1) 感受性テストは臨床効果の予測に完全とは云えないが充分に使用する価値がある. 2) KMは臨床的にも勝れていた. 3) 消毒剤の抗菌力を検し, 昇汞とchlorhexidineに強い抗菌力を認めた.
- 1964-12-01
著者
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