妊娠中毒症慢性化の予防とその治療 (臨床的研究)

概要

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最近注目をあびている妊娠中毒症の慢性化はややもすれば従来からの自然治癒の考え方のもとに等閑視され勝ちである. 我々は本症に対し如何なる予防治療が行われているかの実態について全国主要病院にアンケートを依頼しその回答を求めて次の結果を得た. 妊娠中毒症慢性化治療の必要性は認められているが実際の治療はその時の症状消失に重点がおかれ, 将来の慢性化という点から考えるとき, その治療は決して十分満足できるものではない. 従つて妊娠時の観察治療は持続的に行い分娩後も続いて長期間管理しなければならない. 特に妊娠時, 後遺症発症に関係ありとされている諸因子(重症, 妊娠早期の発症, 既往中毒症など)に対しては早期発見, 早期治療が特に重要である. 又慢性化したものの管理は分娩後数カ月〜数年間引き続いて行わねばならないことが知られた. 要するに妊娠中毒症の慢性化予防と治療には妊娠早期より妊娠中毒症々状の発見につとめ, 出来るだけ早くから、より合理的な治療法を開始し分娩後も引続き治療乃至は観察を続けることが重要で, たゞに症状の一時的改善に満足することなく長期間の観察を続け, 妊娠前の正常の値(血圧, 蛋白尿など)にまでもどるのを目標として治療することが慢性化の予防と治療の対策の原則と考えてよかろうとの結論を得た.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1964-01-01

妊娠中毒症慢性化の予防とその治療 (臨床的研究)

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