DHEA-17-oxime-BSA抗体による妊婦血中16α-OH-DHEA (16α-hydroxy dehydroepiandro sterone)のRadioimmunoassay
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概要
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妊娠時に著増する胎盤estriolの主要precursorとして知られている16α-OH-DHEAのRIAによる微量定量法を開発し,臨床応用に供した.1) ステロイドホルモンのRIAに必要な抽出・純化過程での回収率補正の為に,Specific activityの高い^3H-labeled 16α-OH-DHEAを微生物学的に生合成した.その純度は97.4%, S.a.は13.9 Ci/mMである.2) DHEA-17-oxime-BSA conjugateに対する抗血清が16α-OH-DHEAとも40%の交叉反応を示すことを応用し,本抗血清を用いてのAssay系を確立した.本抗血清と交叉反応を示す他のステロイドのΔ_5 Androstendiol, Pregnenolone, 17α-OH-Pregnenoloneの分離には薄層クロマトグラフィを用いた.これにより0〜300pgの本ステロイドの測定が可能であり,accuracy及びprecisionの精度も満足すべきものであつた.3)胎児血,母体血中の本ステロイドとDHEA及びestrogenとともに測定した結果,(1)16α-OH-DHEA値は〓帯動脈血中に最も高く,DHEAと比べ約2倍の高値を示し,胎盤estrogenのprecursorとしての本ステロイドの役割の重要性が示唆された.(2)胎児切迫仮死例では,正常例に比べ〓帯動脈血中の16α-OH-DHEAの低下が著しく,且つこれと平行に母体血中estrogen値の低下がみられ,低下の程度は新生児のApgar score 7以下の重症例で特に著しかつたことから,母体血中のestrogen測定が胎児の16α-OH-DHEA産生能の指標となり得ることが示唆された.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1975-11-01
著者
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