産科領域における Heat-Stable Alkaline Phosphatase に関する研究
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概要
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妊婦血清中に増加する heat-stable alkaline phosphatase (HSAP) の産科領域における臨床的意義を解明するために, 本酵素の活性を正常および異常妊婦血清, 臍帯血清並びに胎盤組織について測定し, 以下の結果を得た. 1) 妊婦血清HSAPは妊娠5ヵ月より有意に増加し, 妊娠10ヵ月において peak を示しその後次第に低下する. 2) 妊娠中毒症において軽症のものでは正常妊娠との差は認められないが, 重症例では異常高値や異常低値を示す. 3) 子宮内胎児死亡の例では異常高値や異常低値を示す. 4) 胎児奇形のある例では低値を示す. 5) 妊娠各期の胎盤単位重量当りのHSAPは妊娠経過と共に著しく増加する. 6) 妊娠中毒症の胎盤では正常のものと比較してその活性値は低値を示す. 7) 切迫流早産の胎盤では正常のものと比較してその活性値は低値を示す. 8) 過期産群の胎盤では, 正期産群のものと比較してその活性値は低値を示す. 9) 母体血清HSAPと胎盤内HSAPの相関係数は0.77である. 10) 母体血清HSAPと胎盤重量との相関係数は0.52である. 11) 臍帯血清HSAPは非妊婦同様非常に低値である. 12) 妊娠経過中に増加するのはHSAPで, HLAPは妊娠経過において一定である.
- 1974-04-01